ツンドラの戦士。

それは、いつものようにフランスパンをかじっている時に起こった出来事でした。

ガリッ!

という音とともに脳を揺らす衝撃。
そして、前歯に軽い異物感。
これは…。

どうやら、前歯に詰めてある詰め物が取れてしまった様です。

なんてぇこったい!

私は心の中で叫びました。
ですが、それは誰にも聞こえませんでした。
なぜなら、心の中で叫んだからです。

鏡を見てみるとアラ、不思議。
前歯に大きな穴が開いていて、エロみっともない事になっておりました。
2009年、ベストエロみっともない男ベスト1に輝く日もそう遠くないと確信しました。

このままではイカン!と、大変、遺憾に思いながら私は携帯を取り出したのです。

早急に電話をした先は、いつもの行きつけの歯医者、某歯科医です。

つい最近まで、足しげく通っていたのですが、先日得意のスッポカシを使ってしまって、少々気まずい関係になっていたのですが、中学生カップルが自然消滅の後、いつの間にか、また友達の関係に戻るが如く、時間が解決してくれるものと、そう思っていました。

ですが、これは由々しき問題であります故に、意を決して私はテレフォンをナンバーしたのです。

電話に出た受付嬢はいつものデレのないツンデレ、いわばツンドラの女でした。
彼女は得意のツンドラ攻撃で僕を極寒の地へといざなおうとしましたが、僕もまた、かつての僕ではありません。
そこはスマートに事を進めて、今日の朝に早速行って参りました。

それにしても、歯医者というのは治療中何が起こっているのかサッパリ分からなくて、
でも把握したくて、ライトに写る自分を見ているのですが、やっぱりよく分かりません。

何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたか分からなかった。
頭がどうにかなりそうだった。麻酔とか、削るとかそんなチャチなもんじゃ断じてねぇ。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。

なんてな事を思っているうちに治療は終わり、何とか毛も生え大人になりました。

ですが、やはりスッポカシが功を奏して虫歯は確実に僕の体を蝕んでいたようです。
虫歯だけにね!(一同爆笑)

だからやっぱり今後とも通うことになりました。
足しげく通うことにします、みんな歯を大切にね!(愛想笑)