恐れない魂

僕、基本的にVOXhallビルの奥底にある誰も足を踏み入れない夏は激アツ、冬は極寒の地となる
意味わからんプレハブみたいなところで普段作業しているのですが、
最近は暑いとも寒いとも言えない、まさに何とも言えない気候が続いていますので、
本当になんとも言えない気分です。

という訳で扉を開けて作業しています。
そよ風がそよそよと入ってきて本当にそよそよとした気分になるのでアール。

そんな中作業をしておりますと、一匹のニャンコが顔を覗かせました。

あら、坊やどうしたの?
可愛いベイビー、ハイハイ。

ニャンコは何この部屋、何あのおっさんと言わんばかりの表情を浮かべ
こちらを訝しげに凝視していました。
怖がらないでいいのよ、ドンビーアフレイド。
まさに立ち向かう心、恐れない魂です。

僕の目線に気付いたのかどうなのか、なんと入って来ようとしているではありませんか。

しかし、そんな僕の脳裏にある出来事がよぎりました。
それは忘れもしない2年前の夏。
いや、3年前の春だったかもしれません。
もしかしたら4年前だったかも。

忘れました。

いつだったかは忘れたのですが、僕の作業ビルの中に猫が住み着いてしまって
見つけて追い出せとの指令が下ったのです。
僕は目を皿のようにしてビル内にニャンコを探し、
なんとか探し当てた結果、出口近くの場所に踏ん反り返っておりました。
ごめんな、ニャンコ。
ここは大人しく出て行ってくれ。

すまんとばかりに僕はモップで本当に軽くニャンコを突っつきました。
それでびっくりして出て行ってくれるだろうと思っていたら
全く意に介した様子はなく、幽白の蔵馬がごとく、
今何かしたか?と言わんばかりに佇んでいたのです。

僕は「貴様ぁ〜!」などと怒号を発する事なく、
どうしようかと考えたのですが、素手で迎えに行って引っ掻かれたらどうしよう。
その引っ掻き傷から雑菌が入って、何かの感染症にかかったらどうしよう。
イエスセッション・感染症。
それがきっかけで日本がパンデミックになったらどうしよう。
僕はもしかしたら生まれて初めて猫に恐怖しました。

すると一緒にいた同僚の人が、モップを駆使し上手に出口に猫を誘導したのです。
しかし、最後多少強引に追い出したため、「ギャウ!」と恨みがましい声をあげて
猫は去って行きました。
僕らはしばらく立ち尽くしていたのですが、なんだか物凄い異臭がしていることに気づきました。
なんていうか嗅いだことのないパターンの臭さで、
獣の匂いを極限まで濃くしたようななんかそんな匂いで思わずオエっと
えずいたのです。

後から調べて分かったのですが、猫は恐怖を感じると臭腺というところから
めちゃくちゃ臭いオシッコを出すそうで、
その臭いだったということがわかりました。

はっきり行ってその後何日か経っても思い出せるくらい臭くて
思い出しえづきという生まれて初めての体験もさせていただきました。
でも、もうそんな体験は結構です。
勘弁カツオ。
まさにそんな感じでした。

その出来事を思い出した僕は、その入って来ようとしたニャンコを
心を鬼にしてバッと近づいて驚かせて追い払いました。

ニャンコは街へと姿を消して行きました。
ごめんなニャンコ。今回は出会いが良くなかったんだ。
出会いが違っていたら味方同士だったかもしれない。。。
でも、悲しいけどこれ、戦争なのよね。

そして僕はまた作業に戻ったのでした。
また会おう、ニャンコよ。

バイニャン!
猫だけに!

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