コツコツと丹念に

京都に長く住んでいて、割と四条三条とかで遊んだりしたことある人ならご存知かと思うのですが

四条河原町にOPAという商業ビルがありまして

その裏通りに「三吉」という焼肉屋さんがあります。

いつからやられているのかは分かりませんが

とにかくその風貌と佇まいがレトロすぎて

特に目立つのは看板に書かれた牛の絵。

かなりのハードコアを感じさせてくれるその絵も

かなりいい味を出していました。

出していました。

というのは、先月でお店を閉められた、という話を

ツイッターのタイムライン上で知ったからです。

そのツイートを見た時に

ああ、あのお店閉めはったんかー。

という思いがこぼれ出しました。

さて、何故僕がこんな話をしているのか、と

懸命な読者の方は思われているかもしれません。

それは実はほぼ20年前に僕がこのお店でアルバイトしていたからです。

僕の個人的なバイト遍歴ですが、

高校生の頃はバイトなどせずに月に5000円の小遣いでやりくりしていました。

しかし、3年生になるとそれではもちろん足りず、

お母さんの財布から少しずつお金をくすねていたのでした。

定期的に、バレないように

コツコツと丹念に丹念を重ねました。

とかいうとりますが。

完全なるクソ野郎の所業です。

もう時効ということで…汗。

しかし、もちろん罪悪感と、

お札をくすねるとバレるかもしれないと思いの上、

くすねるのはその時に入っている小銭を半分くらいにしておきました。

まあ額の問題ではないと思いますが。

そうやってなんとか日々を耐え凌いできたのですが、

華の大学デビューを果たし、

これはいよいよ金がいる。

てな訳でバイトデビューを果たしたのです。

先に出てきました焼肉屋ではなく、

京都の北のほうにあります知る人ぞ知るショッピングモール「カナート洛北店」。

当時こちらの地下にありましたピザ屋さんにて

見事バイト童貞を卒業したのです。

僕以外の従業員のほとんどが女子、という

なかなかのハーレムを満喫していたのですが

蜜月の時というのは長くは続かない。

と言いますよね。

まったく意味は分かりませんが。

なんとそのピザ屋さんが潰れてしまったのです。

なんたるチーや。

当時の僕はそう思ったに違いありません。

そうして僕は次なる職を探すことを余儀なくされてしまった訳であります。

そんな訳で友人を当たって紹介されたバイト先が2つありました。

それが先に出てきました焼肉屋と、

もう一つはライブハウスでのバイトです。

そうして私は焼肉屋とライブハウスのバイトの二足のわらじの生活が始まったのです。

結論から言いますと、

ライブハウスの業務の方が面白かったのと、

焼肉屋の方のバイトがうまくいかずに結構怒られていたのとで

1年経たずに辞めてしまったのですが。

とにかくよく怒られましたね。

布巾を投げられたこともあったような気がします。

僕も眉毛太いって稀にいじられることがありますが、

その2倍くらい眉毛の太かった大将。

そして、奥でひたすら肉を切り続けていた兄ちゃん。

向井秀徳みたいな風貌をしていました。

普段はバイカーで、そんな話を聞いたことが

あったような

なかったような。

あんまり覚えていません。

記憶力のなさだけが取り柄の男なんです。

しかし、肉はリーズナブルなのに、多く上手く、

ドロリとした甘いタレが特徴的でした。

シンゾー(ハツ)とテールスープが特に美味しかった記憶があります。

賄いではたまーに焼肉を食べさせてもらったりして、

いつか客としてこの肉を腹一杯食いてえ。

そう思ったものです。

まあそんな訳で辞めてしまったのですが、

またいつか食いたいものだ。

と、思いつつも、

地味に大将に覚えられてても気まずいし

なんか入りづらいなー。

でもまた食いたいなー。

とか思っているうち月日は流れ。

鴨川は流れました。

鴨川はこれからも流れ続けるでしょう。

それは月日だって同じことです。

僕としてはほとぼりが覚めるのを待っていた感があったといえば

過言かもしれませんが、

またいつか行ってみたいと思っていたのも事実。

しかしお店を閉められたということを聞いて

そのいつかはもう来ないものとなってしまった訳です。

もう無理になりました。

となると、行っときゃよかったと思う。

これあるあるですよね。

あのドロリとしたあまーいタレに肉をつけて

腹一杯食ってみたかったものです。

想いを馳せるのであります。

こんな僕が言うのもおこがましいと思いつつ。

長い間お疲れ様でした。

なんて思ったり。

思わなかったり。

えっ、思わなかったり!?

以上。

思い出でした。

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