うまい棒で作った家

昨日の続きです。

僕は意を決して店員さんに話しかけました。

「あのー、すみません…」

「はい?」

昨日対応頂いた店員さんがパソコンに強い人特有の感じがあったので

僕はビビりつつ、話を進めました。

「昨日購入したpcを返品したいのですが…」

「えっ」

すると店員さんは少し神妙な面持ちになり、

「少々お待ちください」

と奥へと消えてゆきました。

ワタシの緊張感はマックスへと昂って行ったのです。

ここまで来て、自分都合なのでダメです。

なんて言われる可能性もゼロではありません。

しかし、僕は一度カスタマーセンターに確認をとって

返品可能であると言うお言葉を頂いているのです。

まさに鬼に金棒です。

しばらくすると別の店員さんがやってまいりました。

博多華丸大吉の大吉さんを若く爽やかにしたような

若干イケメンな店員さんです。

「えっと、すみません。返品をご希望と言うことで…」

「はい」

「どうされましたか?」

ゴクリ。。。

ワタシは生唾を呑み込みました。

「ちょっとこのPCでは古過ぎて思っていたOSがサポート対象外でインストール出来なかったんです」

そう、早口にまくしたてました。

「はい…なるほど」

店員さんは少し考えるような顔になったのでワタシはすかさず

「あっ、カスタマーセンターに連絡すると7日間以内は返品可能と聞いたのですが。」

とたった一つだけ持っている武器を披露いたしました。

カスタマーセンターがいいって言ってた。

この一本刀です。

一本おお刀です。

「あっ、そうなんですね」

店員さんはそう言うと返品に対する手続きを開始してくださいました。

PCの状態の確認、

中に個人情報が入っていないか、

クレジットカードの返金手続き。

全てを丁寧に進めていただき、

これは何から何まで世話になった。

と、心からそう思ったのであります。

ここに来て自分はこのあとどうするか、いまだに迷っていました。

などと考えていますと、

「これで手続きは完了です、もう大丈夫ですよ」

と、店員さんの声が響き渡りました。

僕はひとまず500Gの最新版Mac miniの値段を聞いてみようと思いました。

「すみません、返品した後、代わりにどのmacを買うか悩んでいまして。。。

ちなみに新しいmac miniの500Gってあったりします?」

と、僕が言うと

「あっ、ありますよ。ちょうど7日前に出たやつが」

と言いました。

発売7日後。

昨日購入したmacが150才だとすると、

最新版はもう赤子も同然です。

生まれたてホヤホヤ。

ベイビーです。

イカれた君はベイビー。

素敵な君はベイビー。

夜の隙間にキッス投げてよ!!

なんてことを思いながらワタシは

「それはおいくらですか?」

と質問を投げつけました。

「お値段135000円となります。」

ほほう。

安いじゃないか。

だが俺の給料はもっと安い。

もっと安いのはありませんか。

とワタシは祈りのような表情で店員さんに聞きました。

「500Gはこちらしかございませんねえ...」

さて、どうしよう。

こちらは京都駅南口より程近いイオンモール内部ですが

北口にはヨドバシカメラがあります。

そこならもっと安いものがあるかもしれない。

そんな考えが頭をよぎりました。

しかしよぎっては消えたのであります。

これだけ何から何まで世話になったのだ。

ここで完結しようではないか。

そうして、僕は最新版mac miniを使っている自室の風景を思い浮かべました。

最高ヤン。

素敵やん?

紳助兄さんならきっとそう言ってくれるに違いありません。

「これください」

気がつけば僕はそんなことを口走っていました。

なんと言うことでしょう。

予算を大幅に超えた物をワタシは購入してしまったのです。

周辺機器、コミコミで17万…

恐ろしい金額です。

うまい棒なら1万7千本買うことが出来ます。

1万7千本うまい棒があれば、家を立てることも出来るかもしれないです。

マッチ棒で作った家的な。

つまり、うまい棒で作った家と同額の物を

今まさに購入せんがごとくの所業なのです。

しかし、次の瞬間、僕は気がつけば最新版macを抱えて

帰り道の電車にたどり着いていました。

まさに時間が消し飛ぶ、キングクリムゾンの所業です。

ですが心は晴れやかでした。

我が航海にいっぺんの航海なし。

そんな言葉が胸を突きました。

以上。

突いたのでした。

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