僕とボックス その4

さてそんなわけで始まったライブハウスアルバイター生活ですが、

個人的には苦戦しておりました。

まず覚えることの多いこと。

ピンスポットは対象物の上から出して上で収めるとか、

照明の色番号や、ピンスポットのサイズについてとか、

照明の直しも手伝うので各灯台の名称に加えて雑務などなど。

何せ当てるまでどこから出るのか分からないので

パッと当てたところが全然思っていたところ違ったりするのです。

おもてたんとちがーーう!!!

まさにそれです。

ほんまそれ。

ほんそれです。

まさにライフルを構えて対象物に対して撃つ!!!

みたいな感覚です。

さらに、めちゃくちゃアナログなのですが

ピンスポットに色を入れるのは実際にカラーフィルムを持って、

それをピンスポットの光源に被せて表現しているのです。

最大で3枚持つのですが、これがまた持ち方にコツがいて

その辺も苦労しました。

それと、大学に通いながらのバイトだったため

終日という条件のあるライブハウスには

週末しか行けなかったことにも原因は有りました。

2日続けて行っても5日くらい空くので感覚忘れてる。

そんな感じで1〜2ヶ月過ぎてしまいました。

何より当時の照明さんのおっかなかったこと。

詳しい経歴は知らないのですが

今思い出してもかなり高い技術の照明さんで

フリーランスとしてやりながら、照明の専門学校から

生徒を預かって実習として教えているような感じの人でした。

風貌は向井秀徳みたいな感じの人で、

休憩中とかに

「最近めっちゃ出会い系みたいな迷惑メールがエロ画像と一緒に送られてくるから

そのエロ画像フォルダ作って収集してんねん」

なんて言いながらそのエロ画像を見せつけてくるような

まあ気さくなおじさんだったのですが、

いざ照明が始まるとめちゃめちゃオラオラで、

気に食わないピンスポットをやっちゃうと、

照明卓の下の台を蹴りつけながら怒鳴り散らかしてくる。

そんな激昂タイプの方でした。

ここ最近のVOXhallに来られてた方はご存知だと思いますが、

扉を開けてすぐのところにバーカウンターがあって、

その前に照明、音響オペレーターが並んでいる形ですが、

当時は、エレベーター降りてすぐのところがドリンクカウンターで

今でいうバーカウンターのところに照明、音響オペレーターがいて、

その前にピンスポットだけあるという配置でした。

つまり照明オペレーターと少し距離があるんですよね。

その距離でさらに演奏中に指示があったりするのですが

インカムなどを使うでもなし、爆音の中、近づいて

後ろから耳元で指示されるので

ビクッとなる時もあれば、シンプルに聞き逃して

爆音の中怒鳴られるということを繰り返していました。

僕自身がやられた記憶はないですが

あまりにも気に食わないことがある時はピンスポットの電源を消される。

ということもあったそうで、当時の消されたピンスポットが怒って

めっちゃ喧嘩になった。という話も聞いたことがありました。

まあ、その当時の喧嘩になったピンスポットの人はPA補佐になる前の

現VOXhallの店長の有堀さんらしいんですけど。

そんなこんなで春にバイトインしてあっという間に夏になっていました。

夏休みです。

大学が休みのこの期間にグッと集中して入ることが出来る!!

と思っていたのですが、転機が訪れました。

当時のVOXhallと言えば社会人のコピバンとビジュアル箱、

という世間的イメージだったのですが、
(今となって分かることですが)

そのビジュアル系の大きめの3DAYSイベントが決まったのです。

ビジュアル系イベントはとにかく出演バンド数が多いのです。

3日間で30バンドくらいいたかもしれないです。

しかも世界観の癖も強いので

よく言えば照明映えするんですよね。

僕は知らなかったですが、その界隈では知る人ぞ知る!!みたいな人も

チラホラ出てたらしくて、

朝から晩までライブハウスでピンスポットを打った3日間でした。

3日間かなり怒鳴り散らかされたように思いますが、

終わった後に、まあ頑張ったな。

みたいなことを言われたような、

記憶を捏造しているような、

そんな気になっています。

とにかくこの3日間を起点に大分慣れてきた、というのは

捏造でもなんでもなく記憶しています。

以上。

記憶しているのでした。

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