さて。
その夜。
点滴打ちましょーねー。
とばかりに看護師さんがやってまいりました。
私は言われるがままに
愛のままに
わがままに
僕は君だけを傷つけない！！
そして左うでに装着されたカードデッキを
いや
点滴のやつを差し出したのであります。
看護師さんは訝しげな視線をそこに送りますと
「これちょっとズレてるかもしれないですね」
とおっしゃいました。
え！？
なんということでしょう。
どうズレてるのかはわかりませんが
なんかうまいこと刺さってない的な
そういう風潮を全身に感じました。
「取り替えましょうか」
そう言い残して看護師さんは戻って行かれました。
マジですか。
しばらくすると戻ってまいりまして
丁寧に私のカードデッキ
いや
点滴のやつを剥がしますと
「打つ場所は変えましょうか」
と
先ほどまでは腕の内側に
ぶっ刺さっていたのですが
次は外側をめがけて
ぶっさしたのであります。
「ひぎぃ！！」
もちろんそんな声は出してはいませんが
心の中では出しまくりです。
アヘ顔ダブルピースです。
心の中ではもう
アヘ顔ダブルピースです。
そうして看護師さんは丁寧にセッティングをされたのです。
丁寧
ていね
丁寧ー。
ていね丁寧です。
そして点滴を装着し
流し込まれたのです。
ドピュ！！
もちろんそんな音はしてませんが
もう、したも同然です。
そうして看護師さんは去って行かれました。
私は
どうせ取り外すんなら
今朝の段階で一度外してくれればよかったのに。
そんな気持ちが
沸きおこらなくもなかったですが
ここはグッと我慢です。
何より
腕の内側についてるより
腕の外側についてる方が
より遊戯王の腕につけるカードデッキみてーだな。
と
それは思いました。
カードドロー！
俺のターン！！
以上。
俺のターンでした。
