ときめきトゥナイト。

名探偵コナンで犯人が不細工な時は一切同情出来ない男、2008年度ナンバーワンのタカハシタクマです。

さて、それでは昨日お話していた怖い話を。

と、言っても、こういうのってその場の雰囲気もあるし、昨日から引き伸ばしちゃった分ハードルも上がってると思うので、あんまり期待しないで聞いてくださいね。

と、前置きをした上で。

これは石山ユーストンに出てはる「あっくん」と呼ばれる方が実際に体験したお話しだそうです。

滋賀から京都まで行く道は3本あって、その一つに「山中越え」というルートがあります。
呼んで字の如く山を突っ切っていく、滋賀~京都間を行くには最短のルートだそうです。
ですが、当然山を突っ切りますので、夜になると街灯もないヘッドライトを消せば全くの闇の中を進むことになります。
道も曲がりくねっており、うっそうと生い茂る木々は更に不気味さを肥大させます。
「あっくん」と呼ばれる方は、そんな山道を彼女を助手席に乗せて車を走らせていました。
遊びまわって、すっかり日も暮れてしまい気が付けばもう夜中の2時に差しかかろうという時間でした。
うっそうと生い茂る木々の中をハンドルを右へ左へ走らせて京都に向かいます。
山中越えのルートの最終地点にはサークルKがあって、そこに出ると一気に山から街へと変わります。
もう、そろそろ街が見えようかというその時。
対向車線から何かが物凄いスピードで走ってくるのが見えました。
よく目を凝らしてみると、それは女でした。
髪を振り乱し、足は素足で全力疾走でこちらへと走ってくるのです。
「うわぁっ!」
彼らは思わず叫んでしまいました。
女はそんな車の横を全力疾走で駆け抜けていきました。
ありえない様な形相で。
「……」
放心状態のような沈黙のあと、彼女が口を開きました。
「何…今の?」
「…わからん」
分かりようがありません。こんな真夜中に、裸足で、街ではなく、山のほうに全力疾走していく女のことなど。
「…気持ち悪い奴おるなぁ…」
不気味な感覚を拭えないまま、彼らは更に街へと向かいました。
そして、いよいよ街が見えた時、サークルKの100m程手前で道を塞いでいる車がありました。
「…なんや?」
通り抜け出来ないので彼らは、その車の前に車を止めて外に出ました。
すると、塞いでいる車から人当たりの良さそうな男が出てきてこう言いました。
「すみません、ここに来る途中に変な奴見ませんでした?」
変な奴…彼らはスグに思い当たりました。
「ああ、見ましたよ。なんなんですか、あれは…?気持ち悪い」
「す、すみません。迷惑掛けます。」
男は焦って詫びた後、
「どっちに行きました?」
と、聞いてきました。
そして、
「向こうに行きましたよ」
と彼らが指差すと、
「すみません…、ありがとうございます」
と、申し訳無さそうに車に戻って行きました。
彼らは訳が分からないままにしばらく立ち尽くしていましたが、そうしていても仕方の無いことに気付いてそのまま帰ったのでした。

後日、新聞を見ると山中越えで殺人事件があったとの報道がありました。
被害者は女で、足は裸足であったそうです…。