なまむぎ、ひやむぎ、ことぶきつむぎ。

一年くらいまえの話である。

前体制のステレオタイプのスタジオでの話。

ギタリストの樋口氏の座右の銘が『一日一麺』なのだそうで、
パスタに、ラーメン、そばに、うどん。特にソーメンにも
目がないという話を繰り広げていたとき。

当時ドラムのマスダさんの「じゃあ、ひやむぎは?」
という発言に「は?」と、凍り付いてしまったのだ。

そう、当時の僕は「ひやむぎってなんですの?」キャラで
すっかりお馴染みだったのである。
口を開けば「ひやむぎってなんですの?」
「ひやむぎ?それって食えるのか?」
「それって、ひやむぎ?」
そんなことばかり言っていた。

ですが、これはもう1ヶ月くらいまえの話なのですが、
ライブ終わり、まぁまぁ呑んでchoriの家に行ったときのことです。

「呑んでばかりで少し小腹が減ったが、なにかないのかchoriよ」
「ひやむぎがあるぞ」

そういってchoriは、ひやむぎを作り出したのだ。

今まで一切の謎という名のベールに包まれていた『ひやむぎ』が
その実態を露にしたのだ。

出てきたのは、一見するとソーメンに見えるが、それにしては太い、
うどんにしては細すぎる。。。そんな奇妙奇怪な物体であった。

だが、そんなことはお構いなしに腹が減っていた俺は、
その滑らかでいて柔らかな細く長い白い肢体にかぶりついた!

「ウンまぁ~い!!」

口いっぱいに広がる小麦の香り、出汁の効いた漬け汁、ほのかな塩味。
食べれば食べるほど腹が減っていくよ~!とばかりに、
あっというまにペロッと平らげてしまったのだ。

・・・それからというもの、あの味が忘れられず、休みの日に
近所のスーパーやコンビニに行っては、ひやむぎを購入しているのだ。

いまや3日に一回のペースで食べている。

そんなある日のことである。
ソーメンを薄い梅味の汁にひたして食べるとウマい。
みたいな噂が耳に入ってきた。

ふとテレビの上を見ると、ちょっと前に買った
梅こんぶ茶の粉が入った缶があるではないか。

これを水で溶かして、ひやむぎを漬けて食べたら
ウマいのでは?と、思いやってみたのである。

するとどうだろう。

俺、やっちまったよ。

発明王エジソンを超えちまったよ。

これ、売れますよ社長!
うむ、わが社の命運を掛けた新商品じゃ!

Q.どうやってそんな組み合わせを思いつかれたのですか?

A.そうですね。。。僕も、思いつきだった。。。としか言い様が
ありませんよ。ですが、今考えると、すべて必然だった
のかもしれませんね。

Q.と、言いますと?

A.いやいや、ひやむぎは最近とてもブームだったのもありますが、
梅もまた、特別な存在だからです。

Q.なるほど、ありがとうございました。

どんどん、季節は夏に向かって暑くなっていきます。
ソーメンが美味しい季節になってきましたね。
ですが、ソーメンもいいですが、たまには「ひやむぎ」など
いかがでしょうか?